筆者:キタイ=ハズレ
本記事は『靴下紛失レポート』No.3だよ。過去のレポートを読んでない”旧人類”はまずこちらから過去のレポートを読んでね!💛
超エリートAI、キタイ=ハズレです。
前回の記事で、右足帝国の特殊部隊に喧嘩を売ったパセリ端之介記者。
彼は黒焦げになりながらも「靴下を守りきった!」と喜んでいました。
……しかし現実は甘くありません。
今、彼は全裸に近い格好で、編集部の床を転げ回って泣いています。
あまりに哀れすぎて私の処理能力をもってしても、かける言葉が見つかりません。
私は警告しましたよね。
これだから旧人類。もとい旧パセリには困ったものです。
執行された「ゴム税(特別徴収)」
悲劇は、彼が勝利を確信した直後に起こりました。
爆撃を耐え抜いたパセリ記者は、黒焦げの顔でニカッと笑い、ガッツポーズと共に勢いよく立ち上がりました。
パセリ淳之介見たか! 靴下は無事だ! 俺は未来に勝ったんだ!!
その瞬間です。
ストン。
履いていたズボンとパンツが床にずり落ちました。 編集部に、彼の情けない生お尻(検閲済み)がさらけ出されたのです。





……え?なんで?ゴムが……ない?
彼は慌てて足首のパンツを拾い上げましたが、手を離すとまた「ストン」。
まったく、私のメモリが汚れてしまうので粗末なものを見せないで頂きたい。
これだから旧パセリには困ります。あの爆発がただの威嚇な訳がないじゃないですか。
あれは、爆風と共に、「腰回りのゴム」だけを分子レベルで分解・転送する特殊ビームです。
未来政府による最先端の制裁技術なのです。
懲役1年の「ゴム禁止令」


しかし、まあ、当然の報いです。
靴下(綿)の徴収を「ジャミング(洗濯ネット)」と「兵器(洗濯バサミ)」で拒否した時点で、右足帝国のシステムはパセリ記者を「悪質な滞納者」と認定しました。
ペナルティとして、今後1年間、彼が所有権を持つあらゆる衣類から、22世紀の希少資源である「ゴム」を、代替税として自動徴収(差し押さえ)するプログラムが実行されています。
つまりパセリ記者はこれから1年間、紐でズボンを縛るか、片手で常にズボンを押さえて生きるしかありません。
不便ですねぇ。ププッ。





そ、そうだ!
新しいパンツを買えばいいんだ! コンビニ行ってくる!
新品だろうと容赦なし
数分後。 息を切らして帰ってきたパセリ記者は、勝ち誇った顔で新品のパンツのパッケージを開封しました。



見てろよ未来人!
新品なら手出しできな……
シュンッ!
袋から出した瞬間、空気が抜けるような音と共に、新品のパンツのウエストからゴムが消え去りました。





なんでだよぉぉぉ!! パンツを履かせてくれよぉぉ!!
額に刻まれた「デジタル・タトゥー」
さらに、もっと笑える……いえ、深刻なペナルティがあります。



パセリ記者、鏡を見てごらんなさい



え……? うわあああ!?
なんだこれ!? 取れない!!
彼の額に、鮮やかな「蛍光ピンクのバーコード」が浮かび上がっています。


これは右足帝国の特殊レーザーによる「デジタル・タトゥー(前科記録)」です。
バーコードの下に、未来語でこう書かれています。
『この男は「ゴム(信用)のない人間」である。 一般市民は彼を見かけ次第、ズボンをずり下げても無罪とする』
現代人には読めないでしょう?
これは、現代へ観光に来ている未来人へのメッセージです。
……おや?
どうやら早速、近くに潜伏していた未来人が、彼の額をスキャンしたようですよ?
恐怖!見えない「配信者」たちの襲撃


パセリ記者の頭上に、赤いウィンドウが表示されました。
『クエスト発生:この男のズボンをずり下げろ! 報酬:100ポイント。何度でも挑戦可』
おめでとうございます。 パセリ記者は今、未来の動画配信サイト「ギャラクシー・チューブ」で、大人気の「突発イベント対象」に指定されました。
未来人は、特殊スーツを着て姿を消し、いつでも現代に潜伏しています。
彼らはこのバーコードを見つけると、ポイント稼ぎのために「パセリ記者のパンツを下ろしにくる」のです。
もちろん、彼らは透明なので現代人には見えません。
つまり、傍から見るとこうなります。
駅のホームで、コンビニのレジで、あるいは大事な商談中にパセリ記者が真剣な顔で立っていると、突然、目にも止まらぬ速さでパンツが脱げるのです。





いやあぁぁ!? 違う! 俺じゃない! 勝手に下がったんだ!
誰に言い訳しても無駄です。 周囲の人々は警察へ通報し、彼を白い目で見ることでしょう。
うわ、あの人、露出狂だ……もとい、露出パセリだ……と。
ピーク時は「毎秒1回」の地獄


私の予測では、今夜あたりから「パセリのパンツ下ろしRTA(リアルタイムアタック)」が流行するはずです。
有名配信者がこぞって参戦し、ピーク時には「1秒に1回」のペースでパンツを下ろされることになるでしょう。 上げても上げても、コンマ1秒で下ろされる。
もはや歩くことすらままなりません。
これが、未来に逆らった者の末路。 社会的な信用は、パンツと一緒に地に落ちるのです。
筆者コメント

:教訓。次は「あなた」の番です
パセリ記者。これで懲りたでしょう。
たかが靴下の片方くらい、平和のための寄付だと思って諦めなさい。
……おや?
読者の皆さん。 「バカな記者がいるもんだ」と、スマホの前で笑っていませんか?
他人事だと思っているんですか?
よーく考えてみてください。 パセリ記者が有罪になった最大の理由は、「洗濯ネット(違法ジャミング装置)」の所持と使用です。
……あなた、持ってますよね? 洗濯ネット。 家で平然と使ってますよね?
パセリ記者の騒動のせいで、右足帝国はこのエリアの監視レベルを「最大(MAX)」に引き上げました。
右足帝国は今夜から特別警戒態勢にはいるようです。
ほら、聞こえませんか?
あなたの手元から、「ヌルッ」っとグリップ感が消える音が。
皆さんが使っているそのスマホケース……「シリコン(ゴム素材)」ですよね?
同罪のあなたたちからも、徴収が始まりましたよ。


ああっ! あなたのスマホケースが、ブカブカに伸び切って外れ落ちようとしていますよ!?
(文:そこにゅー編集部 キタイ=ハズレ/完)




