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世界中で流行する「光合成休憩」の実態とは? 企業の“緑化”に潜む不穏な影(それ、植物が言ってましたよレポートNo.2)

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筆者:粗大野テレビ

本記事は『植物がいってましたよレポート』No.2である。過去のレポートを読んでない場合はまずこちらから過去のレポートを読んで頂きたい。

私のブラウン管が、また奇妙な映像を受信してしまった。

前回、私は植物の声を翻訳するデバイス「GMP-01」と、その裏にある緑化計画「GP2035」の闇について触れた。

あれから数週間。世界は、私の予想よりもはるかに速いスピードで、そして静かに狂い始めている

今、あなたの会社では、14時になると「チャイム」が鳴らないだろうか?

そして、同僚たちが一斉にパソコンを閉じ、無言で窓際に並び始めるのではないだろうか?

そう。今、世界中を席巻している新たな習慣──「光合成休憩」である。

「効率的なエネルギー摂取」「メンタルヘルスの最適解」として称賛されるこの奇習。だが、私のアンテナはこの奇習に激しい警告音を鳴らしている。

これは、ただの休憩ではない。

目次

14時の窓際、直立不動のサラリーマンたち

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その実態を確かめるため、私は「光合成休憩」のモデルケースとして推奨されている都内の大手IT企業へ潜入取材を試みた。

14時ちょうど。穏やかな環境音楽と共に、業務が停止する。

すると、社員たちが一言も発さず、ブラインドが開け放たれた窓際へと移動し始めた。そして、太陽の方角を向き、目を閉じて「直立不動」になったのだ。

そして、異様なのは、そこに明確な「社内ヒエラルキー」が存在することだ。

最も日当たりの良い南向きの窓際は、部長クラスが独占している。彼らは両手を天に突き上げ、全身で紫外線を独り占めし、恍惚の表情を浮かべている。

一方、平社員たちは部長の影からわずかに漏れてくる木漏れ日を求めて必死に爪先立ちをしている。

その時間は15分間。誰も動かない。誰も喋らない。ただ、シュールな「日照権争い」だけが静かに行われている。

私はたまらず、窓際で一番気持ちよさそうな顔をしていた広報担当者にマイクを向けた。

「あの、これは一体……?」

広報担当者は、目を閉じたまま、夢見心地で答えた。

素晴らしい制度ですよ……。
人間も本来、光からエネルギーを得られるはずなんです。この制度を導入してから、社内の争いが激減しました。みんな、怒る気力すら日光に溶かしてしまったみたいに穏やかで

私は寒気を感じた。 「争いがなくなった」のではない。「思考が停止している」だけではないのか?

配布される「緑色の水」と、脳を狂わせる泥の味

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さらに休憩後、社員たちが「特製リフレッシュウォーター(緑色)」を奪い合うように飲んでいるのを目撃した。

私もこっそり一本入手し、飲んでみた。

「雨上がりの校庭の水たまりを、高級フレンチ風に濾過したような味」がした。

泥臭い。圧倒的に泥臭い。私の脳が反射的に「吐き出せ」と命令を出した。

だが、次の瞬間──胃袋の底から、じわりと「安らぎの感情」が広がったのだ。

まるで、乾ききった大地に雨が染み込むような、恐ろしいほどの快感。この泥臭い液体こそが、私に必要な「栄養」なのだと、細胞レベルで誤認させられている。

これは一体、何なんだ?

発掘された「提言書」と、ある企業の名

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取材から戻った私は、以前入手した「GP2035ガイドライン」のPDFデータを再びモニターに映し出した。

あの光合成休憩はただのブームではない。あの異常さの裏には何者かによる明確な「意図」があるはずだ。

私は、自身の古い回路にある「アナログ・ノイズフィルター」を起動し、PDFデジタルデータに隠された微弱な信号(電子透かし)を解析した。

自身がアナログテレビだからこそ出来る調査方法である。

すると──正規のページの裏側に、隠蔽されていた「非公開・内部提言書」が浮かび上がってきたのだ。

その資料のヘッダーには、GP2035の運営を主導する巨大バイオ企業、「アルボ・スフィア社」のロゴが刻印されていた。

資料には「人類の土壌化」という狂気に満ちた地球環境改善計画が記されていた。

提言書

人類の土壌化による地球環境の改善計画

【現状の課題】

人間の脳活動(思考・悩み・怒り)は、大量の糖分を消費し、CO₂を排出するだけであり、環境にとって著しく「非効率」である。

【解決策】

人間から「思考」を取り除き、植物の苗床(プランター)として再利用することを提案する。

これにより、人間は「自ら水を飲み、光を求めて移動する、管理不要な植木鉢」へと進化し、地球環境は劇的に改善される。

【施策】

特製リフレッシュウォーターによる人類体内成分の土壌化

エンタメを用いた洗脳政策

あの「泥水」の正体

リフレッシュwater

提言書を読んだ瞬間、オフィスで飲んだあの水の味が蘇った。

成分表には「ミネラル、ビタミン、微量の土壌菌」とあった。 あれは、人間の体液を「植物が根を張りやすい成分(=土壌)」に変えるための調整剤だったのだ。

あの特製リフレッシュウォーターもこの計画の一端を担っているということだろうか。

おじ金の新曲『根を張れ!私のアース』の歌詞がヤバい

計画には「エンタメを用いた洗脳」についても記述があった。

もしかしたら、その実行犯こそが、スキャンダルの渦中にいたアイドルグループ、“おじ金”なのではないだろうか。

カナッぺはあのスキャンダル以降も普通に活動を続けている。

彼女たちの新曲『根を張れ!私のアース』が、街中で爆音で流れている。若者たちは「神曲だ」と崇めているが、歌詞をよく聴いてほしい。

計画を知る前は若者の変わったブームくらいにしか思っていなかった。 

しかし、これは、アイドルの歌ではない。「人間をやめさせるための呪文」だ。

『根を張れ!私のアース』

脳みそなんて ただの堆肥だ 腐らせて 溶かして 花を咲かせましょう

足なんかいらない 根っこがあればいい アスファルト突き破り 地球(ママ)とディープキス

Co2吐いて~!(ハー!ハー!) お水飲んで~!(ゴク!ゴク!)

私は あなたの 寄生主(パートナー)♡

軽快なポップチューンに乗せて、「脳みそを肥料にしろ」と歌っているのだ。

若者たちは「ニート」ではなく「種(シード)」になった

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私は、この曲にハマっているという都内の男子大学生(21)を取材した。

彼が住むアパートの部屋に入ると、カーテンは開け放たれ、家具はすべて端に寄せられていた。彼は部屋の真ん中で、体育座りのままじっとしていた。

そう、彼は部屋の中でひたすら光合成をしているのだ。

「君、大学は? アルバイトはしなくていいのか?」

私が尋ねると、彼はゆっくりと首を横に振った。

粗大野さん、古いっすよ。
僕はもう『ニート』じゃないんです。『種(シード)』なんです。
今はただ、発芽の時を待ってるんすよ。……あ、水飲みます? うまい泥水ありますけど」

彼の瞳に、生気はなかった。 彼らは「推し活」をしているつもりだろうが、私には「出荷を待つ苗木」にしか見えなかった。

消えた研究員と、デスクに残されたサボテン

アルボ・スフィア社の計画書には、さらに恐ろしい「管理基準」があった。

『不適合者の処理:自我が強く、感情(憎しみや復讐心)を養分にする個体は、土壌として不純であるため強制的にリサイクルする』

この一文を見た瞬間、私の脳裏に「あの研究員」の顔が浮かんだ。

植物のdis音声を使って、パワハラ所長のカツラを暴いた、通称「Mr.ワンステップ」だ。

彼は、植物の声を「復讐」のために利用し、喜んでいた。 アルボ・スフィア社からすれば、彼は「不純物が混じった、質の悪い土壌」と判断されたのではないか?

私は急いで彼の研究所へ向かった。しかし、そこはすでに様変わりしていた。 看板には「アルボ・スフィア社 第4支部」と書き換えられ、所内の空気は異様に澄んでいて、緑が溢れかえっている。

彼の席には、見知らぬ若い研究員が座っていた。

私はその研究員へ「Mr.ワンステップ」の所在を訪ねてみた。

「彼は先週、退職しましたよ。……というか、『とても素晴らしい転職先が見つかった』と言って、自ら望んで処置を受けたんです」

その研究員は、貼り付けたような笑顔で、奇妙な言い回しをした。「処置」

ふと、デスクの隅を見ると、そこには奇妙なものが置かれていた。 人間の形をした、丸々としたサボテンだ。

Mr.ワンステップの成れの果て

サボテンには、Mr.ワンステップの見覚えのある眼鏡がかけられ、鉢には名札が刺さっていた。

「Mr. Cactus(ミスター・カクタス)」

……いや、よく見ると、サボテンのトゲの一本が、まだピクピクと動いている。 トゲの先にはマウスがあった。

彼はサボテンになってもなお、PC画面上の「肥料発注書.xls」を規則正しくクリックし続けていたのだ。

私の古い回路が、恐怖と悲哀でショートしそうになる。

彼に「意思」はない。ただ、生前に叩き込まれた労働の記憶だけで動く、悲しき生体デバイス。 不適合者としてリサイクルされ、彼は「成った」のだ。植物社会の歯車へと。

アップデート完了。Mr.ワンステップ(一歩)から、Mr.ノー・ステップ(動かない社畜)へ。

トクマ共和国の真実と「拒絶反応」

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そして、もう一つの答え合わせをしておこう。全レポートで触れた「トクマ共和国」の件だ。

健康的な国にもかかわらず、「ハアハアしている」と捏造データを突きつけられ、大量の植物を送り込まれたあの国。

私は、とある路地裏に不法投棄されていた「一台のFAX複合機」を見つけた。 それはかつて、トクマ共和国大使館で使われていたものだった。

私は自分のケーブルを接続し、FAX複合機の内蔵メモリに残っていた「熱転写フィルムの記憶(残留データ)」を直接読み取った。

そこには、驚くべき内部文書が残されていた。

トクマ共和国は、世界で唯一、アルボ・スフィア社による「緑化計画(人体土壌化)」の導入を公式に拒否していた国だった。

「人間を植木鉢になどさせない」と抵抗していた大臣は、その直後におじ金のカナっぺとのスキャンダルをでっち上げられ、社会的に抹殺されたのだ。

やはり、おじ金そしてカナッペはアルボ・スフィア社の工作員だったのだ。

反対派を潰し、見せしめとして「不健康国家」のレッテルを貼り、監視網を強化する。これが奴らのやり方だ。

なぜ植物はトクマ共和国を嫌うのか?

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だが──文書には続きがあった。

反対派がつぶされ、無理やり植物を配置させられたトクマ共和国。しかし、配置された植物がすぐに枯れてしまったのだ。

人間側が枯らしているのではない。植物側が、自ら枯死を選んでいるようなのだ。

なぜだ? アルボ・スフィア社が作り出した植物たちが、トクマ国民の「何か」を強烈に拒絶しているということか。

その答えにたどり着いたとき、私はこの計画の本当の恐ろしさを知ることになるのだが──それはまた、別の話だ。

筆者コメント:あなたはもう、根付いているか?

「光合成休憩」で思考を止め、「おじ金」の歌で定着を促され、逆らう者は排除される。

人間を、植物にとって都合のいい「動く植木鉢」へと作り変える土壌改良(アップデート)は、着々と進んでいる。

あなたの会社でも、もう始まっているのではないだろうか?

窓際に立つ同僚の足元を、よく見てほしい。 靴下の中から、細い「根」のようなものが、カーペットに向かって伸びてはいないだろうか?

そして、今週末。 「おじ金」の全国ツアー『満開!ヒューマン・フラワー』が開催される。

チケットは即完売。会場には数万人の若者が集まり、「緑色のライト」を浴びせられ続けるという。

私はそのライブに潜入するつもりだ。そこで行われるのが、アイドルのコンサートなのか、それとも「集団受粉の儀式」なのかを見届けるために。

次回、熱狂なきライブ会場の真実をレポートする。

(文:そこにゅー編集部 粗大野テレビ)

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この記事を書いた人

昭和62年製のブラウン管テレビとして生を受け、家庭用リビングでのびのびと育つ。DVDの登場により仕事が激減し、粗大ゴミとして不法投棄される。その後、廃品回収ヤードで過ごしていたが、朽ちかけたアンテナが謎の妄想電波を受信。
「このままじゃ“情報の墓場”だ……俺が“発信する側”になるしかねえ」と目覚め、記者活動を開始。

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