
私は今日、自分の才能が恐ろしくなった。
冥王星での修行時代から、薄々気づいてはいた。 私には、物体に触れずして動かす力、いわゆる「念動力(サイコキネシス)」が備わっていると。
その確信が、今日、地球の補給基地(コンビニ)で証明されてしまったのだ。
目次
「未熟だった過去と、覚醒の予感」
これまでの私は未熟だった。 基地の入り口にある透明な防壁(ガラス扉)を開ける際、これまでは扉の前で一度立ち止まり、「開け!」 と強く念じなければならなかった。
少しでも気を抜くと、扉は頑として開かなかったからだ。
「奇跡の瞬間、扉は開かれた」

だが、今日の私は違った。
バナナが食べたい一心で、足早にコンビニの扉へ近づいた、その瞬間──。 私が念じるよりも早く、扉が「スッ……」と左右に退いたのだ。
指一本触れていない。 立ち止まってすらいない。 ただ、歩いて近づいただけだ。
これは、私の放つ「覇気(オーラ)」が、扉の防御システム(セキュリティ)を無力化してしまったことを意味する。
人類からの降伏宣言
中に入ると、制服を着た基地の番人が「イラッシャイマセー!」と大声で叫んでいた。
「イラッシャイマセー!」を 地球語で翻訳すると「参りました! 貴殿の圧倒的パワーに降伏します!」という意味だろう。
フッ、分かればいいのだ。
地球のテクノロジーなど、私の超能力の前では赤子同然だウホ。
今日の戦利品
チョコバナナクレープ(※店員が震える手で渡してきた…おそらく貢物だろう。美味かった)

